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「トリウッド アニメーションの24日間」編
(佐々木あまゆき:2004年1月5日)
トリウッドってのは東京都世田谷区の下北沢駅近くにある短編専門の映画館の名前です。
そこで『トリウッド アニメーションの24日間』というアニメ上映企画が催されていたので、
アニメ好きの26才無職のオタ豚がその余りある「暇」を活かして見に行ってきた、というわけ。

プログラムの内容は「カナダのアニメ」と「ヨーロッパのCGアニメ」など。
詳しくはこちら。http://homepage1.nifty.com/tollywood/caf/24days.htm

余談だが客はいなかったなぁ。初日だったからか? それに久々の映画館での映画だったので
首が痛くなるわ、頭痛くなるわ、睡魔が襲ってくるわ、で大変でした。値段は1プログラム
500円ぐらい。でも4プログラム、合計2時間で2千円だったから安くはねーよな。

・Aプログラム 「CANADA・CAF 2003AUTUMN」(カナダの短編アニメ4本)
・Bプログラム 「CANADA・CAF 2003AUTUMN」(カナダの短編アニメ4本)
・Cプログラム 「EPOC IN FROM EUROPE」(ヨーロッパの短編アニメ4本)
・Dプログラム 「PETIT THEATER」(フランスの中編アニメ1本)

以上の4つが上映されていたプログラム。
ちなみに感想は佐々木が見た順に書くので「C・D・A・B」の順番で表記。



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Cプログラム 「EPOC IN FROM EUROPE」
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内容:2001年〜2003年のCGアニメ。ヨーロッパ産。詳しくは下のアドレスでどうぞ。
   http://homepage1.nifty.com/tollywood/caf/24days3.htm


【プログラム】

  1、死神と老婆
  2、思い出のポストカード
  3、コウノトリ
  4、ビオトープ



 1、『死神と老婆』(イギリス 2002年 3分10秒)

  セルアニメ風CGアニメ。太ったよぼよぼのばあさんが死神に魂を持っていかれるのか
  と思ったら、いきなりばあさんが亀仙流ばりの体術を駆使して死神をぼこぼこにぶちのめし、
  挙げ具の果てに焼き殺すという「武闘派ばあさん大活躍」のお話。

  うん、おもしろくないよ、別に。つまんなくもないけど、別におもしろくもないから。
  デジスタに出てきそうな素人作品だったよ。(このときデジスタのことをふと思い出した)

  そんな大しておもしろくない作品、でもアヌシー国際アニメーションフェスティバルの
  最優秀処女作品に贈られる「特別賞」を貰ってるそうです。まあ、ばあさんの体型や表情が
  日本のアニメと違って「ちゃんとばあさんらしかった」というところが印象的だったね。
  ばあさんの下着姿とか生々しくてちゃんとおぞましかった。
   (その辺に世界と日本との差、娯楽と芸術の差を感じました)

  思えばいきなり一作品目から「世界」と「日本の作品との差」を感じさせられたなぁ。
  実力の話ではなく、「質」が違った。たとえ素人監督の作品でも。
  (監督 イグナシオ・フェラレス)



 2、『思い出のポストカード』(ドイツ/ポーランド 2003年 8分17秒)

  実写をいじった3D、2DCGアニメ。ポストカードの写真を使って戦争の時代を生きた
  女の人生を表現。つまらなかった。

  デジスタの初期に出てきたようなしょぼい実写アニメだった。しかも無駄に長いんだ、これが。
  アニメ見てる最中には絶対に眠らない俺が眠りそうになったのですごくびっくりした。
  (監督 アンナ・マチシク)



 3、『コウノトリ』(ドイツ 2003年 7分45秒)

  セルアニメ風CG。コウノトリが赤ん坊を新婚夫婦に届けるのかと思いきや、それをネタに、
  興味本位で近づいてくる生意気な小鳥たちを拉致する話。おもしろいところもあったけど、
  カメラワークとかの演出面がいまいち。娯楽的な内容だったので目は覚めた。

  でもなんかドイツのオタク君が作ったような内容だったなぁ。無駄に長いし。
  (監督 クラウス・モルシュホイザー)



 4、『ビオトープ』(フランス 2001年 7分15秒) 
お薦め

  セルアニメ風CGアニメ。ちんぴら君が沢山いそうな地下鉄で、気弱なオタク君が
  女に色目を使うが、ちんぴら君に邪魔されてしまう話。これはおもしろいよ。

  いやー、よかった、よかった。少しはちゃんとおもしろい作品があって。絵柄も
  おもしろいし、内容もおもしろかった。電車という状況はやっぱり幻想的な映像が
  作りやすい、便利な題材だ。ちなみに題名のビオトープとは『動物や植物が恒常的に
  生活できるように造成または復元された小規模な生息空間。』という意味。ここでは
  ちんぴら君たちが生息する地下鉄のことでしょう。

  おもしろいだけあって「第9回広島国際アニメーションフェスティバル優秀賞」を受賞。
  機会があれば見てみるといいと思います。お勧め。
  (監督 メルバン・チャバヌ)





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Dプログラム 「PETIT THEATER」
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内容:フランスの手書き中編アニメ。詳しくはこちら。
   http://homepage1.nifty.com/tollywood/caf/24days4.htm


【プログラム】

  1、鈴の約束 〜サンタクロースの秘密〜



 1、鈴の約束 〜サンタクロースの秘密〜 (フランス 1998年 26分)

  フランスの名門スタジオが作ったセルアニメーション。サンタの息子のチャーリー君が
  誤ってサンタのソリから落下。しかし運良く郵便配達員のおっさんに拾われて凍死は
  免れる。けれど息子を失ったサンタは哀しみからグレ始め、仕事を放棄。で、結局
  生き別れの息子とサンタが最後には再会してめでたし、めでたし。子供向けの娯楽
  アニメなのであった。子供向けとしてはおもしろかったです。大人は寝ると思う。

  しかし1998年に、こういった絵本風の絵柄の手書きアニメーションを作れる情熱と
  予算があることがすごいよね。さすが名門。日本の名門スタジオもがんばりやがれ。
  話はいまいちだが、動きのおかしさは上手い。郵便配達員がこぐチャリンコの動きとか
  とても躍動感があってよかった。

  芸術性を理解されてか、名門であることを理解されてかは知らんが受賞歴はすごい。
  絵本風の絵が好きで、純粋だとか、子供は天使だとか、癒しだとかの言葉が好きな
  嘘臭い大人は見てみたらいいんじゃないですか。
  (監督 ジャック=レミー・ジレール)

・1998年カーツーン・ドール/ヨーロッピアンオスカー
・シュツットガルト・アニメーション・フェスティバル1998年最優秀子供向けアニメーション賞
・アヌシー国際アニメーションフェスティバル 1998年最優秀TVアニメーション映画賞
・1998年 エミー賞ノミネート




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Aプログラム 「CANADA・CAF 2003AUTUMN」
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内容:「カナダ・アニメーション・フェスティバル 2003秋」と題して、トリウッドが
   80年代のカナダ産「手書きアニメ」を4本上映。ちなみにカナダを代表する音楽監督
   ノルマン・ロジェが手掛けたアニメーションを特集したそうです。詳しくはこちら。
   http://homepage1.nifty.com/tollywood/caf/24days1.htm

   それと、全部「国立映画製作庁」NFB作品。(National Film boad of Canada)
   NFBに関してはこちらをどうぞ。http://www.adhoc.co.jp/nfb/


【プログラム】

  1、少年とハクガン
  2、小谷に住む愉快な仲間たち
  3、50億年
  4、セーター



 1、少年とハクガン (カナダ 1984年 10分32秒)

  傷ついた白雁と少年の努力・友情・勝利の話。あと別れもあったか。ま、野生の雁を
  子供が体よくペットにする話ですよ。そんで最後に雁が旅だってお別れになる話。
  まあまあおもしろかった。セルアニメだか水彩絵の具のアニメだか忘れてしまった。

  話はありがちな「動物とお別れ話」なので特になんも言うことはなし。ただなんか映像が
  見づらかった記憶があるなぁ。カメラワークがへんてこだった気がする。それにテンポが
  芸術リズム過ぎて、娯楽テンポになれた僕には辛かったです、眠かった。
  (監督 ゲイル・トーマス)



 2、小谷に住む愉快な仲間たち (カナダ 1988年 7分47秒)

  セルアニメ。おばさんと3匹の猫の日常話。つっても猫はだいぶ個性的でいかれてた気が
  するけど、眠さがピークで忘れた。おっとりした娯楽話でつまらなかった。
  (監督 レス・ドリュー)



 3、50億年 (カナダ 1981年 7分07秒)

  水彩アニメだったかな? 地球誕生、生命誕生な生物の歴史アニメ。そりゃ眠いよ。
  しかもアニメーションとしてもおもしろくなかった。後半はホントに寝てたかも。
  ああ、映画代が100円ぐらい無駄になってしまった。屈辱だ。
  (ジョイス・ポランシュライン)



 4、セーター (カナダ 1980年 10分21秒) 
お薦め

  水彩アニメだった気がする。セルだったか?記憶は曖昧だが、これはおもしろかったよ。
  カナダの小説家の短編小説が原作だそうです。子供はジャイアンツの帽子が欲しかったのに、
  母親が間違って広島カープの帽子を買ってきてしまったため、近所のガキ共から「おめー、
  カープファンかよ、ダセー」と馬鹿にされる話、カナダのプロホッケーチームのセーター版。

  母親はどこの国でもいい加減なうえ、自己中だし、ガキはガキでいじめが好きなのは万国共通。
  実に共感のもてる作品。でもやっぱり眠かった。おもしろかったんだけどね、テンポが遅くて。
  おもしろかっただけあって「15の映画祭で受賞に輝く」だそうです。
  (監督 シェルドン・コーエン)




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Bプログラム 「CANADA・CAF 2003AUTUMN」
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内容:「カナダ・アニメーション・フェスティバル 2003秋」と題して、トリウッドが
   77〜91年のカナダ産「オブジェクトアニメ(人形とか砂とか粘土を使ったアニメ)」
   を4本上映。ちなみにカナダを代表する音楽監督ノルマン・ロジェが手掛けたアニメー
   ションを特集したそうです。詳しくはこちら。
   http://homepage1.nifty.com/tollywood/caf/24days2.htm

   それと、全部「国立映画製作庁」NFB作品。(National Film boad of Canada)
   NFBに関してはこちらをどうぞ。http://www.adhoc.co.jp/nfb/


【プログラム】

  1、バルコニーの鳥人
  2、ボックス
  3、ザムザ氏の変身
  4、最優先事項



 1、バルコニーの鳥人 (カナダ 1991年  8分51秒)

  人形アニメ。飛行機を作るおっさんの話。もうひとりの駄目なおっさんがでてきて、
  いろいろやってたが、話がつまらんので半分意識が飛んでた。ロボットパルタの方が
  おもしろい。(監督 ブライアン・ドゥフシェラー)



 2、ボックス (カナダ 1989年 10分27秒)

  紙人形アニメ。この監督は超有名どころらしいのだが、あんまおもしろくなかったぞ。
  後半は眠気で意識も飛んだ。内容はガキ共の世界を描いていた。らしい。
  (監督 コ・ホードマン)



 3、ザムザ氏の変身 (カナダ 1977年 9分42秒) 
お薦め

  砂と透過光のアニメ。これは文句無くおもしろかった。内容はカフカの小説「変身」を
  題材にしているらしい。主人公のおっさんがゴキブリかなんかになってしまって、
  家族からも疎外されるうちに、どんどん屈折して心まで「虫」になっていく話。

  ともかくこのアニメはとても「砂アニメ」だとは思えない出来。NHKのプチプチアニメ枠
  でロシアかフランスの砂アニメを見たことあるけど、なんかショボイんだこれが。
  ところがこの“ザムザ氏の変身”は違う、ほんとすごいよ。砂のざらざらした質感が
  作品のじっとりした感じによく合っているし、非常に完成度が高いアニメでした。
  いやー、セル画じゃないアニメもいいね。まさか「砂アニメ」がこれ程いいものだとはなぁ。

  そんなアニメだから受賞も「香港など9つの映画祭で受賞」だって。まあおもしろいもんは
  なんかしら受賞するでしょ、そりゃ。ともかくこれは必見。
  (監督 キャロライン・リーフ)



 4、最優先事項 (カナダ 1981年 9分09秒)
  
  カラー粘土と透過光のアニメ。農民と軍隊では最優先事項が違う、という話。
  が、しかし、英語音声のみで字幕無しだったので内容がほとんどさっぱりじゃあああ!

  ところでこのアニメ、最初は油絵の具のアニメーションかと思ったが、なんと粘土だった。
  うーむ、アニメの世界は奥が深いんだなぁ。
  (監督 イシュ・パテル)




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