直線上に配置
一日目(睡魔と戦ってました)
(佐々木あまゆき:2004年1月5日)
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Mプログラム
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内容:ロシアのアニメ作家『ユーリ・ノルシュティン』の作品を9本。詳しくはこちら。
   http://www.laputa-jp.com/laf2003/prg/M.html


【Mプログラム】

  1、外套
  2、話の話
  3、霧につつまれたハリネズミ
  4、狐と兎
  5、あおさぎと鶴
  6、おやすみなさいこどもたち
  7、25日・最初の日
  8、ケルジェネツの戦い
  9、ロシア砂糖のCM



 1、外套(ロシア 未完)

  原作はゴーゴリの「外套」。20年前から作って漸く第一部が完成したとこ。でそれを上映。
  内容は役所勤めのおっさんが吹雪の中帰ってきて、清書の内職をしてました。

  何を使ってアニメを作っているのかよくわからんが、ともかく美しい映像の作品でした。
  ちなみに作りかけのため無音声。雪が降りしきる夜のサンクトペテルブルグの映像は
  一見の価値あり。つーか全編一見の価値ありの作品だったけどね。

  でも実は「娯楽ばっかり見てきたオタアニメ廃人」の私にとっては結構眠気を誘う作品でした。
  「無音声」「スローテンポ」「フィルムの劣化?のための映像不良」などのせいで。
  「おもしろい」のは分かっているのに「眠気が襲う」、という体験はかなり僕ちんを
  びびらせてくれました。(「芸術を見れない頭」になったと思ってほんとびびった)



 2、話の話 (ソ連 1979年 29分) 
個人的にお薦め

  切り紙アニメ。内容はとても説明できません。まあ、様々な「話」が様々に変化しいく「話」。
  ぱっと見、オムニバスのような作りです。ただ、「短い物語」を並べただけの話ではなくて、
  「いくつかの小さい物語」の上にもう一つ「物語」がある、という二層構造になっています。
  テーマは「話(物語)」というものが持つ“役割”について。(多分)

  実は最初に見たときは全然内容が分からなかった。個々の話の内容は分かるが、
  その「個々の話」を繋げて、全体としては何を言いたいのか?がさっぱりでした。
  まあ、眠気も凄かったし。

  ところでユーリ・ノルシュテインのアニメに出てくるキャラクターはかなり一般性を
  持っていて(絵柄が娯楽的ってこと)、この「話の話」にも「ちょこちょこ動き回る
  かわいい狼」とか、「縄跳び遊びを手伝わされている牛」とか、まあ色々と可愛らしい
  キャラクターが出てきます。そういった“芸術の中にも娯楽きちんと取り入れる”姿勢
  は「さすがアニメ界の巨匠」と思った。「熱々の美味そうな焼き芋」を狼が「ふーふー」
  いいながら食うシーンとかも最高。(見せる努力は芸術だろうと、娯楽だろうと必要だ)



 3、霧につつまれたハリネズミ (ソ連 1975年 10分) 
お薦め

  切り紙アニメ(実写も入ってた)。ハリネズミが「友達の小熊」を訪ねに行く話。霧の中
  に飛び込んで迷ってしまったり、川に落ちたり、魚に助けられたりと、結構冒険する話だが、
  別に日本の「よくある少年向け冒険アニメ」ではない。

  人生における「不安、恐怖、安堵、喜び」などを表現している作品(と本に書いてあったよ)。
  そういったテーマを言葉を通してではなく、「アニメーション」という「映像表現」を
  通して表現することができるのも、監督のアニメに対する「深い知識と経験」があってこそ
  だと思いました。

  これ見てて思ったんだけど、大体「アニメに対する考え方」事態が「日本のテレビアニメ」と
  「霧につつまれたハリネズミ」とでは違いすぎるよ。日本のテレビアニメは「アニメを作る
  ために作品を用いる」けど、ノルシュテインは「作品を作るためにアニメという手法を
  用いる」って感じだもん。日本のアニメは別に「アニメである必要」なんてこれっぽっちも
  ないんだ、別にアニメじゃなくて漫画でも小説でも作品は成立するんだよね。でも「ノルシュ
  テイン」の作品は「アニメじゃないと成立しない」。この違いは大きすぎるよ。

  ちなみにこの作品もうつらうつら見てました。(もう廃人だね、まったく)



 4、狐と兎 (ソ連 1973年 12分)

  切り紙アニメ。よくありがちな昔話風の子供向けアニメ。兎の家が狐に乗っ取られたので、
  それを森の動物達が順番に奪還しようとする話。で、最後に一番弱そうな雄鳥が兎と共に
  狐と戦って、兎の家の奪還に成功するのであった、ちゃんちゃん。

  別にこれといった難しいテーマはありません。子供向けだしね。な、わけで眠さが最高。



 5、あおさぎと鶴 (ソ連 1974年 11分)

  切り紙アニメ。あおさぎが鶴に結婚を申し込めば、鶴が断る。断ったことを後悔して
  鶴があおさぎに結婚を申し込めば、今度は鶴が断る。そんなプライドと復讐の展開が
  永遠と続く話。テーマは男女の恋愛。

  なかなかおもしろい(娯楽的にもおもしろい)のだが、半分眠ってました。



 6、おやすみなさいこどもたち (ロシア 1999年 2分)

  切り紙アニメ。夜、眠りにつく前の風景。子供や玩具やぬいぐるみが出てくる話。
  なんかの番組のオープニング、エンディングに使うために制作されたらしい。

  「アニメ製作の資金確保」が目的で作ったのかな? ともかく、相変わらずの美しい
  映像満載の作品。



 7、25日・最初の日 (ソ連 1968年 12分)

  切り紙アニメ。ロシア革命の話。他の詩的な映像の作品とはかなり絵柄が違う作品。
  必殺プロパガンダ作品かな? つまんないし、話が分からんのでマジで寝てしまいました。
  (無念)



 8、ケルジェネツの戦い (ソ連 1971年 12分)

  切り紙とイコンを使ったアニメ? なんかの伝説をアニメ化したような感じ。
  教育テレビで放送しそうな感じで眠気全開。死亡。



 9、ロシア砂糖のCM (ソ連 1968年)

  切り紙アニメ。完全娯楽作品。のわりにはなんか主役のライオンがグロい感じ。
  でも動きとかおもしろかった。短かったし眠気には襲われなかった。砂糖をがりがり
  食うライオンがいつのまにか「愛嬌があるかも」と思えてしまった。





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Aプログラム
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内容:世界中の短編アニメを何本かまとめて上映。詳しくはこちら。
   http://www.laputa-jp.com/laf2003/prg/A.html


【プログラム】

  1、霧につつまれたハリネズミ
  2、ストリート
  3、煙突屋ペロー
  4、火宅
  5、ナイト・エンジェル
  6、飢餓
  7、コーヒーブレイク



 1、霧につつまれたハリネズミ (ソ連 1975年 10分)

  切り紙アニメ。同じ日に同じアニメを2度見ることになってしまった。しかし内容、美術、
  ともに優れているので楽しく見れた。が、相変わらず眠気が。おまけに最前列で見たため、
  頭痛まで発症。視界の7割を映像が占めると目と頭に負担がかかりすぎる。
  (監督:ユーリ・ノルシュテイン)



 2、ストリート (カナダ 1976年 10分)

  ガラスの上に絵の具で作画するペイント・オン・グラスという技法をつかったアニメ。
  カナダ、モントリオールのユダヤ系作家M・リチェラーの原作をアニメ化。内容は、
  ユダヤ人街のある家族に死期が近い祖母がいて、その祖母が自分の部屋を病室として
  使っていることを疎ましく思う少年の情景を描いた話。(と、パンフレットにあった)

  全編英語。そんなわけでよく分からんかったが、話の流れや、雰囲気は分かった。
  世界のアニメはあんまり言葉に頼らない作りになってるからな。「ザムザ氏の変身」を
  作ったキャロライン・リーフのアニメだったので、字幕で内容を理解しつつ見たかったなぁ。
  1976年のアカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされた作品。
  (監督:キャロライン・リーフ)



 3、煙突屋ペロー (日本 1930年 21分)

  影絵アニメ。1930年に反戦を訴えたらしいアニメ。あまりの古い作りに後半は熟睡。
  反戦を訴えてたのかどうかさっぱり分からんかった。

  1930年製なのになぜか「ヨーロッパ風」な作り。そういえば宮沢賢治の銀河鉄道の
  夜もヨーロッパ風だったな。このアニメは歴史的価値しかないです。ただ、アニメの作りが
  キャラクターを中心とした現在の日本オタアニメとは違っていて、強いて言うなら世界の
  アニメの方に似ていたのが印象的。っつっても寝てたけど。
  (監督:田中喜次)



 4、火宅 (日本 1979年 19分) 
エロ人形なのでお薦め

  人形アニメ。三角関係になった女がどっちつかずで、結局自殺。自殺したら地獄の業火で
  焼かれ続け「最悪!」と。そんで僧に「助けてぇー」と、で、供養。頭が半分寝てたから
  いまいち覚えてない。

  眠気に捕らわれていたが、しかし、このアニメのおもしろさは分かった。なんか日本独特な
  雰囲気を醸し出した人形アニメだった。それと人形の美しさは凄いよ。このアニメ、「ロマン
  ポルノかよ!」と思うような無駄な「女の半裸シーン」があるんだけど、なんと人形のくせに
  ちゃんと色気が!(びっくりです) やるな、日本のエロジジイ!(もとい、日本のエロ監督)

  まさか人形にエロを感じるとは思わなかったなぁ。素晴らしいのはエロ人形だけでなく、
  動きの方もなめらかで、素晴らしっこでした。
  (監督:川本喜八郎)



 5、ナイト・エンジェル (チェコスロヴァキア 1986年 19分)

  人形アニメとピンスクリーンアニメの合体作。女に心を奪われた男がストーキングしようと
  思って女を追いかけたら車に引かれちゃいました。で、一次的に失明状態。そんな失明状態
  の若造の「目が見えない生活」を描きつつ、女とのいちゃラブいちゃラブも描いたアニメ。

  「目が見えない人の感覚」を視覚的に表現するのだが、その表現の仕方がおもしろかった。
  しかし話は「よくある話」なので眠さ炸裂。辛かった。ちなみにピンスクリーンアニメ
  ってのは「何万本もの針を板に貫通、ぶっさして、横からライトを当てて、それでできる
  針の影の濃さで白黒を表現したアニメ。影の濃さは針の長さで決まる。針が長く飛び出て
  ると影は濃いので黒、針を出さなければ影はできないので白。ちょっと出せば灰色になる」。
  参考画像はこちら。http://www.sci-museum.niihama.ehime.jp/tayori/34/02.html
  (監督:ブジェチスラフ・ポヤル&ジャック・ドゥルーアン)



 6、飢餓 (カナダ 1977年 11分) 
一応お薦め

  1974年アカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされたコンピューター・アニメーション。
  2Dアニメ。内容は、男がぱくぱくもぐもぐ食べまくり、気が付けば超デブに。そんなデブが
  “搾取されまくって飢餓状態の国”に放り込まれて、飢えた子供達に逆に食われる話。
  人間の止めどない欲望がテーマ。

  なかなかおもしろいアニメであった(CGアニメ?)。食べ物だけでなく、女も頂いてました。
  (監督:ピーター・フォルデス)



 7、コーヒーブレイク (日本 1977年 3分)

  セルアニメ(切り紙アニメも使用?)。コーヒー飲んで一服してるおっさんの周りを
  いろんなものが降ってくる不条理的なアニメ。オタワ国際アニメ映画祭で入賞。

  降り積もる車や食い物、その他もろもろは「消費社会」を表現してるのかもね。
  そんなおもしろくもなかったけど。しかし短いので眠くはならなかった。
  (監督:古川たく)




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Nプログラム(「素人アニメでぐっすり」の巻)
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内容:ラピュタアニメーションフェスティバルで行われたコンペティション「ユーリ・
   ノルシュテイン大賞」の2000年〜2002年、過去3回の各賞受賞作品を
   いくつか発表。詳しくはこちら。
   http://www.laputa-jp.com/laf2003/prg/N.html
   http://www.laputa-jp.com/laf/


【プログラム】

  <2000年>
   1.第1回特別賞『クジラの跳躍』たむらしげる
   2.優秀賞『MUTATE』土田裕之
   3.優秀賞『Prisoner』奥田寛
   4.奨励賞『shi-ki』矢田美帆

  <2001年>
   5.最優秀賞『The Apple Incident』加藤久仁生
   6.優秀賞『僕がいた日』和田洋平
   7.優秀賞『夕暮れ団地』栗原崇

  <2002年>
   8.奨励賞・ヒューマン賞『無言歌』Yim Kai Yan
   9.奨励賞・ユーモア賞『ボーノーモ「ブスタマン」』富永舞
  10.観客賞『電車かもしれない』近藤聡乃



 1.第1回特別賞『クジラの跳躍』 (日本 1999年 22分35秒)

  セルアニメ。この世界と平行して存在しているような世界(時がゆっくり進むうえに
  海がガラスでできてる世界)で旅をしている爺さんと猫が「鯨が跳躍する場面」に出会う。

  他の素人作品とは違ってバンダイかどっかの企業が出資してる作品。そんなわけで出来はいい。
  詩的な作品。でも企業ものなのでしっかり娯楽アニメしてます。なので眠くはならなかった。
  たむらしげるの「銀河の魚」は図書館で見たことがある。なかなかおもしろい作品だった。

  たむらしげるの作品はキャラクターが主役ではなく、「作品世界」が主役だが、基本的に
  アニメーションである必然性はない。「光る絵(映像)」を使用したいからアニメーションを
  選んでいるだけなのだ。そういう意味ではやっぱり世界のアニメではなく、日本のアニメなのだ。
  でもおもしろいから見る機会がある人はどうぞ。
  (監督:たむらしげる)



 2.優秀賞『MUTATE』 (2000年 8分18秒)

  人形アニメ。詳しくはこちら。http://members.jcom.home.ne.jp/bocha/works2003.html

  眠いから寝てしまったのか?つまらなかったから寝てしまったのか?どっちか分からんが、
  寝てしまいました。うろ覚えでしか覚えていない。

  上記のページで作品をもう一度見てみたのだが、やっぱりつまらなかった。内容は、
  女房が“事故ってどうにかなった旦那”の首をちょんぎって、かっこいい顔を代わりに
  付け替える&スカ屁が出る体質を改造することを博士に依頼するのだが、改造失敗、
  屁がでまくって大爆発。おしまい。(うん、つまらんよ)
  (監督:土田裕之)



 3.優秀賞『Prisoner』

  人形アニメ。完璧わすれた。つまんなかったし。寝むっちまったし。
  (監督:奥田寛)



 4.奨励賞『shi-ki』 (2000年 3分42秒)

  毛糸で編んで画面を作ったアニメ。なるほど、毛糸アニメってのもあったのか。
  でも、ごめん、つまんなすぎ。熟睡。
  (監督:矢田美帆)



 5.最優秀賞『The Apple Incident』

  セル風CGアニメ。林檎が空から降ってくる話。最優秀賞なだけあって他よりはまし。
  なにがいまいちだったかを説明したいところだが、眠気が凄すぎてろくに内容を覚えていない。
  映像はおもしろかった。(デジスタ作品だからいつか見れるかもしれん)
  (監督:加藤久仁生)



 6.優秀賞『僕がいた日』

  セル風CGアニメ。ガキの夏の日を描いた作品。いまいち。そして眠気に襲われて死亡。
  (監督:和田洋平)



 7.優秀賞『夕暮れ団地』

  セル風CGアニメ。団地が出てたよ。まあまあでしたが眠気と僕は戦っていたので
  内容はあんまし覚えてません。
  (監督:栗原崇)



 8.奨励賞・ヒューマン賞『無言歌』 (9分25秒)

  人形アニメ。どこかの専門学校の卒業作品だった気がする。内容は忘れた。つまんなかったから。
  (監督:Yim Kai Yan)



 9.奨励賞・ユーモア賞『ボーノーモ「ブスタマン」』 (6分12秒)

  パスタを使った人形アニメ。不細工なパスタ(女)がファーストフード店で美顔を買って
  自分のものと取り替えようとする話や、その他いろいろなオムニバスものだったんだけど
  つまんなかったので忘れてしまった。

  内容は娯楽ギャグだったので眠りはしなかったが、つまんなかった。
  (監督:富永舞)



 10.観客賞『電車かもしれない』 (3分55秒)

  CGアニメ。バンド「たま」の“電車かもしれない”の歌にあわせてアニメーションを展開。
  アフタヌーンで見そうなマンガ絵姉ちゃんが踊りを踊るアニメ。

  プログラムの順番と実際に上映する順番は違っていて、実際にはこの『電車かもしれない』
  が最初に上映された。私は「日本の新人アニメ作家はどんなアニメを作っているのかな?」
  と、かなり期待に胸を膨らませていたのだが、その期待はこのアニメによっていきなり
  うち砕かれ、眠気が爆発するのであった。

  もうねぇ、これ見た途端「がく」っときたね。だってデジスタで見たようなレベルの作品
  なんだもん。(あとで見たらやっぱりデジスタ作品だしよー) 芸術志向のうえに、素人の
  つまらない作品とくれば、眠らずにいられるはずがない。散々眠気と戦ったのに結局寝ちまった。
  たった3分55秒だったのに、眠気に勝てなかったよ、このアニメ好きの俺が・・・。
  Nプログラムでは金をドブに捨てたようなものだった。(無念)
  (監督:近藤聡乃)



  余談:Nプログラムでは前半のアニメと後半のたむらしげるのアニメしかまともに覚えていない。
     なぜって、そりゃー視聴不可なほど催眠効果があったからだ。いやー、ひどいアニメ
     だったよ。たむらしげるのアニメだけだね、まともに見れたのは。プログラムの最後に
     たむらしげるのアニメを持ってきたのは正解だったよ。最初に持ってこられてたら
     残りの時間、ずっと寝てしまうもんね。




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Bプログラム
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内容:世界中の短編アニメを何本かまとめて上映。詳しくはこちら。
   http://www.laputa-jp.com/laf2003/prg/B.html


【プログラム】

  1、ある一日のはじまり
  2、歩く
  3、頭山
  4、草上の朝食
  5、くもとちゅうりっぷ
  6、おやすみなさいこどもたち
  7、結んだハンカチ



 1、ある一日のはじまり (カナダ 1999年 10分) 
まー、お薦め

  実写を加工したアニメらしいが、見た目は水彩アニメ。内容は、擬人化した動物キャラが
  登場するアニメで、朝食の準備をしていた豚のおばさんが、買い物に行く途中で紳士ぶった
  鶏のおっさんとぶつかり、ごっつんこ。おっさんの持ってたレモンが道路に落っこちて
  ころころころころ(結局車に踏まれてグシャ)。当事者の豚と鶏は無言でガンとばしあったが、
  結局「我関せず」の態度で「ぷい」っとお別れ。その直後、鶏のおっさんっが車に引かれて
  あの世いき。でも豚のおばさんは「無関心を装いつつ」、お店に入って買い物、そして帰宅。
  家に帰ると、窓の外から救急車の音が「パーポーパーポー」して、おばさんは「交通事故って
  怖いわ、ブルブル」で、お終い。つまりテーマは「社会に蔓延している無関心さ」。もしくは
  「人との繋がりを極力さける現代人の生活の異常さ」。

  まあまあおもしろかったが、画面が無駄に「ちらちら」して目に痛い。パソコンで作った
  作品なので、その「ちらつき」は間違いなく演出なのだが、ものすごく見にくい。それと
  「なかなかキャラクターの演技がうまいなあ」と思ったら、実写を取り込んで、そのうえ
  からアニメーションをかぶせて作ったらしい。

  豚のおばさんの朝食準備シーンはなかなかおもしろい。(ジャガイモの皮をむいて、皮だけ食べ、
  中身はゴミ箱にポイ。冷蔵庫から牛乳を出して飲もうと思ったら腐っていたので、そのまま
  ゴミ箱にポイ)←下水に流せよなぁ。 と、まあこのようにいろいろな事柄で現代人の病んでる
  部分を表現。社会批判アニメなのでした。1999年アカデミー賞短編アニメ賞にノミネート。

  でも、「画面のちらつき」と「ゆっくりとした丁寧な展開」のせいで眠気に襲われてしまい、
  きちんと内容をおぼえていなかったりして。詳しくはこちらhttp://www.adhoc.co.jp/nfb/
  新着情報のところの『「作品紹介」のページにストリーミングによるサンプルムービーの
  コーナーを掲載しました。 』をクリックして「When the Day Breaks(ある1日のはじまり)」
  のところを見てくれい。ちょこっとだけ実際の映像が見れるから。画像は酷いけど。
  (監督:ウェンディ・ティルビー アマンダ・フォービス)



 2、歩く (カナダ 1968年 5分) 
お薦め

  水彩画のアニメ。内容は、ただ色んな人達が、いろんな形態で歩くだけ。そんだけのアニメ。

  しかし、このアニメはほんとにおもしろいので一度は見てほしい作品だ。一見歩くだけの
  アニメだが、そのさまざなな歩き方からは確かに「テーマ」を感じることができるはず。

  例えば「力強く、すたすたと一人で歩く男のアニメシーン」では「孤独に、ただ進み続ける
  現代の会社員」の哀れさを感じるに違いねぇ。もしくは「どこまでも歩んでいくしかない
  人間の運命」を感じるかもしれん。またはもっと前向きに捉えて「男のもつ肉体的な力強さ」
  を感じるかもしれん。と、このようになかなかおもしろいアニメなのだ。映像もなかなか
  目を見張るものがあるよ。でも水彩絵の具ゆえの「ちらつき映像」が目にはやさしくないので
  睡魔に襲われること間違いなし。でも絶対おもしろいよ。ちなみに私は眠気と戦いながら
  見ていたので、きちんと内容(テーマ)を把握できんかった。(無念)
  1969年アカデミー賞短編アニメ賞ノミネート作品。
  (監督:ライアン・ラーキン)



 3、頭山 (日本 2002年 10分) 
近年の日本製なので一応お薦め

  色鉛筆か絵の具で描いたようなアニメ(もちろんパソコン処理してあるアニメだろう)。
  内容は同名の落語「頭山」を現代風にアレンジ。「もったいねえ」が口癖のおっさんが
  サクランボの種まで「もったいねえ」と言いながら食っちまったら、頭から桜の木が生えて
  きて、花が咲いてしまった。おまけに花見客まできて、(頭の上に)小便はするは、ゴミは
  捨てていくはで、おっさん怒りまくり。怒ったおっさん、桜の木を引っこ抜いちまうが、
  こんどはそこに雨が溜まって池ができ、海水浴客が集まっちまう。そんな海水浴客から
  逃げ出した男は自分の頭にある池に身投げして遂にお陀仏、で、お終い。

  監督の山村浩二の絵を楽しむアニメ。もちろんテーマは色々あるだろうが、基本的には
  映像や背景などの美術面を楽しむアニメ。娯楽としてもよくまとまっていると思う。
  音楽には三味線の「べんべん」を、ナレーションには「浪曲師」を起用して、いかにもな
  「日本作品」を演出してますが、どっちかとえば他の山村アニメと同様に「異世界」的な
  作品(疑似日本だね)。「鉛筆で描いた」ような絵柄のせいもあって、かなり漫画的な
  印象も強い。(その辺が千と千尋とともにアカデミー賞にノミネートされた理由かも)

  後日、「BS冬休みアニメ劇場」でやっていた山村アニメーションコーナーを見ていたら、
  「頭山」が、過去の「山村浩二アニメ」で培われてきた様々な技術を駆使しつつ、さらに
  新たな技術、表現を目指した「山村浩二前衛アニメ」であることがわかって感慨深かった。

  そうそう、このアニメが日本では初の「アカデミー賞短編アニメ部門ノミネート作品」だって。
  山村浩二には今後も期待。
  (監督:山村浩二)



 4、草上の朝食 (エストニア 1987年 27分) 
お薦め

  セルアニメ。マネの「草上の昼食」を題材にしたアニメ。内容は、一回見た程度じゃ説明不可
  なほど複雑で隠喩を多様した内容。本によると「4人の男女が公園使用の許可を取ろうと
  するが・・・」な話だったらしい。(そんな話だったか?) それはともかくテーマは
  社会主義体制下での生活。監督が東欧の人だからね。(でも、どっちかっつったらテーマは
  「国家というものが持つ暴力的な支配」とかかな)

  すごく不条理的な作りでおもしろい作品だった。ブラックなユーモアもたっぷりだったしね、
  かなり娯楽的な作りのアニメでした。(娯楽的な作りなのに、それでも主役は「キャラ」
  じゃなくてやっぱり「作品世界」でした) それと人間の動きが「どさ」「ばた」って
  感じで死体っぽい動きをしてておもしろかった。背景、動き、キャラクターデザイン、音楽、
  ストーリー、全てがテーマを表現するために設計されていました。

  このアニメ、前述した山村浩二の好きなアニメで、自身が「アニメションベスト150」
  という本で紹介文を書いているのだが、そちらでは『官僚主義的世界に住む4人の男女の
  日常をシニカルでブラックな描写で、オムニバス形式に構成したもの。林檎を求めるアナ、
  正装を失ったジョージ、顔のパーツ、いいかえれば自身のアイデンティーを失ったベルタ、
  官僚の許可証を求めるエドワード。時間の配置が交錯し、人間関係が交錯し、靴と眼鏡と
  パンも交錯して、スケールと人格と日常の論理が反転し、最後4人が終結するラストに至る
  までのカタルシスは最高。』と紹介されてました。(そうそう、こういう内容でした)
  (監督:プリート・パルン)



 5、くもとちゅうりっぷ (日本 1943年 16分)

  白黒セルアニメ。内容は「幼女のテントウムシ」を「おっさんの蜘蛛」がおいしく
  いただこうとするが、神風に吹っ飛ばされて失敗する話。

  ともかくよく動くし、動きもなめらか。とても戦時中に作ったアニメとは思えない出来。
  話自体はあんましおもしろくないが、この時代にこの出来は素直に感心。別に眠くは
  ならなかった。今思えば意外だなぁ。話はそれほどおもしろくなかったんだけどなぁ。
  (監督:正岡憲三)



 6、おやすみなさいこどもたち (ロシア 1999年 2分)

  切り紙アニメ。一日にM、A、N、Bと4つもプログラムを見たため、またもや同じアニメを
  一日で二回も見ることに。しかもこのBプログラムを見る前に5時間近くアニメを見てる
  ので頭痛い、目痛い、眠い、寒い、腹減った、で、そんな状態だったのでこのアニメを二度
  見た記憶がございません。
  (監督:ユーリ・ノルシュテイン)



 7、結んだハンカチ (チェコスロヴァキア 1958年 15分)

  実写をコマ撮りしたアニメ。内容は、親から「蛇口の修理屋に修理を依頼するように」と
  頼まれたのにすっかり忘れて遊びほうけてしまった子供を、ハンカチが探しにいって
  「蛇口のこと」を思い出させる話。

  テンポが遅すぎるのと、反復のような映像が多すぎて眠気が増大。話も退屈。技術的な事が
  メインのアニメ。しかし世の中にはこんな退屈なアニメを「もう3回目になるが、やっぱり
  いいな。」などと抜かす厚顔無恥なサブカル君もいて、思わず晒してみたくなる誘惑にかられた。
  だってその他のアニメ(今回ラピュタのアニメフェスでやってたアニメ)の感想も凄く嘘臭いし、
  勘違いしてるしで、最高なサブカル君なんだもん。でも客のほとんどがこういうサブカル君
  だったのは間違いない。ま、金を落としてくれてるのだから別にいいけどー。
  (監督:ヘルミーナ・ティールロヴァー)




直線上に配置
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